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風本流医療構造改革・論議編

医療社会再編成の方策

医療現場には、医師側の思惑、患者側の思惑、行政側の思惑が重なり、現行の健康保険制度下では医療費高騰は必然のことになります。
最近は、医療系の問題(事件?)が多く現れ、特に救急医療分野でマスコミをにぎわしています。これらは、患者側、行政側が、医療側に対して、「善」「仁」であることを要求してきましたが、その要求にこたえられなくなっている実情がベースにあります。つまり、限界を超えているということです。

今の医療社会は、ちょうど江戸幕府末期の状態に似ています。組織制度が限界に来て、問題が山のように出現しているのに、現場首脳たちに解決するための策を講じることができていません。

大病院、中小病院、診療所が明確な役割分担を持たずに、それぞれが既得権益主張を行い、その結果、医師の効率的活用ができていないのです。医師不足も多少はありますが、医療機関を適切に整理し、現場医師の効率的活用を図れば、「医師の勤務負担は軽減され、それでいて、患者に提供する医療はより充実する」という状態は、作ろうと思えば、作れます。しかし、医療社会の再編成を実現するために不可決である「求心力あるシンボル的人材」はおらず、また、明治維新における薩摩藩、長州藩のような実行力ある旗振り役、リーダー役がいません。日本の医療社会はこのまま、だらだらとジリ貧状態に陥っていくだけでしょう。

私自身は、20年以上前に今の医療社会の状況を予言し、そのときにシンボル的人材となって立ち上がろうという志を持ちましたが、実力を蓄えてきたところで、既得権益者たちに、いったん抹殺された状態になっています。

そこで、今回はちょっと坂本竜馬気分で船中八策を語ってみます。「混迷する医療社会に革命的構造改革をなさしめる」の急所は以下の8策です。

  1. 生活困窮者への医療は国家直轄とし、専用の医療機関を設け、医療費無料にするべし。当然医薬品も無料
  2. 救急医療は、自衛隊、警察と同じく、国家直轄の医療組織とすべし
  3. 身体障害者、特定疾患患者、緩和ケアへの医療、小児への医療は、無料にするべし
  4. 上記に属さない患者に対しては、原則、医薬品代は全額自己負担にするべし
  5. ガンの治療は、国民皆保険から外し、民間保険を導入するべし
  6. 健康教育を推進させて、予防医学分野は、すべて自己負担にすべし
  7. 生活困窮者でない高齢者に対しては、メディカルサロンで行われたプライベートドクターシステムを模範として、開業医をその分野に特化集中させるべし。医薬品、検査は全額自己負担だが、それ以外は健康保険を大幅に導入し無料にするべし。開業医はそれだけで経営できる収入になるように設定すべし
  8. 上記以外に関しては、国民皆保険制度は従来の3割負担とし、随所に民間の健康保険を導入するべし

というところです。

「医療費の自己負担を増やす」という話が出ると、医師会は必ず「費用不安のために受診が遅れ、治療が手遅れになったらどうするのだ」と反発します。これに対しては、「健康にためにお金をかけたら、生活ができない」という生活困窮者に対する専門の医療機関を設置します。先行き不透明の社会保険病院などをそれように整備すればいいでしょう。改革に対する医師会は反発の掛け声を失います。この医療機関は、治験を盛んに実施できる母体機関ともなります。働く医師は国家公務員です。

同時に、救急医療体制は国家直轄の機関とし、国家公務員としての医師を養成します。救急患者はここで一度診察し、その後に振分けていきます。医師人材は、現状は募集するしかないですが、20~30年後には、独自に育成した人材で占められるようにします。その育成する人材は、異論、批判があるとは思いますが、今の「遺児、孤児」に求めていくのも一つの手です。独自に育成するというのは、本人に学費を負担させないということも意味しています。この救急病院には、周辺の開業医に対する出仕義務を設けると優れた組織になります。
医師人材の効率的活用を考えるなら、上記2つは同じ病院で執り行うのが優れています。つまり、1つの病院建物が、救急医療と生活困窮者への医療の拠点施設となります。

ガンにかかった場合、患者の立場としては、徹底的にガンと戦う道を歩むか、宿命と悟って緩和ケアの道にすすむかの2つに1つという時代になっていきます。医師主導で方針を決める時代は間もなく終焉します。ガンと戦いたい人は、あらかじめ民間の保険制度に加入してもらいます。大手生命保険会社が喜んで体制を整備してくれることでしょう。緩和ケアは医療費無料にします。
特定疾患(難病など)、身体障害者への医療、医薬品も無料です。ただし、それらでない場合は、医薬品は全額自己負担です。特に予防医学分野の医薬品は、健康教育を進行させることにより、全額自己負担にするべきです。高血圧、高脂血症などは、完全に予防医学分野です。不要なのに飲んでいる薬が一気に減ります。
高齢者には、病名ごとの特定の専門医よりも、顧問医師を設定するのがいいです。この顧問医師を開業医に求め、高齢者と開業医との人間関係づくりを推進させます。その人間関係をベースとして、介護、その他を含める高齢化社会の問題解決にまい進します。他の病院で必要になる専門治療に対する監視役として、また、日ごろの病気に対する治療主体者として、顧問医となる開業医には活躍してもらいます。毎月定額の顧問料が国民皆保険から支払われるようにするのがいいです。生活困窮の高齢者は、困窮者専門の医療機関(無料)に行きますので、この範疇においては、医薬品は自己負担になります(特定疾患をのぞく)。

私の八策を実現すると、医師側の本能、患者側の本能、行政側の本能が合一して医療費高騰に向かうことはなくなりますので、年間総費用の長期的目処が立ちます。また、国家直営の医療機関ができ、それを核にすえる組織構造にすると、めぐりめぐって民間病院の設備投資を縮小できます。
この仕組みを全国民に納得してもらい、国民負担額を定めることが、医療構造改革の始まりになるのです。あとは、それらを実現していくための人事体制です。

どっちみち、いつの日か、私の出番がくるかもしれないと思っています。

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