月刊メディカルサロン「診断」
遺伝子検査の導入月刊メディカルサロン2006年2月号
健康管理に欠かせない予想医学と先回り予防
1990年代は遺伝子研究の時代でした。アメリカにおける科学研究の国家予算の多くが遺伝子研究に費やされました。
「10年でヒトの遺伝子配列をほぼ解析しきる」という掛け声は、あっけなく達成され、次のステップとして、それらの遺伝子配列が実際の人体にどのように関与しているかを研究する段階になっています。
健康管理は、「予想医学と先回り予防」の積み重ねです。
「検査結果をよく分析して、この人の身体はこのようになっていく。こういうところに将来リスクがある」と予想するのが予想医学です。「予想されたリスクを回避するために、こうするべきだ」を考え出すのが先回り予防です。先回り予防の指導においては、できるだけ簡単に実行できる手法を捻出することが大切なのは言うまでもありません。
遺伝子検査で将来のリスクがわかる
将来リスクの予想に遺伝検査は役立ちます。たとえば、「心臓麻痺」です。「子供がプールに飛び込んだところ突然、心臓が止まった」「お酒を飲んで酔った状態でゴルフをしていたら、突然グリーン上で心臓麻痺を起こして死んでしまった」「酔って海で泳いでいたら死んでしまった」などの死に方は、一見したところ予想困難に思えます。しかし、遺伝子検査をしておくと、「あなたの身体は、酔って運動すると突然心臓が止まる可能性があります」というのが事前にわかるのです。
この遺伝子を持っている人は、「冷たい水につかったら何かいやなことが起こりそうな予感がする」と語ったりします。
タバコを吸い続けていても、90歳を超えるまで長生きする人がたまにいます。その人たちを見て、「自分も大丈夫だ」と思い、ついつい油断してタバコを吸い続けている人もいます。タバコを吸っても長生きできる特殊な身体かどうかは遺伝子検査でわかります。
ボケることへの不安は誰もが感じています。60歳頃からボケだしてしまうアルツハイマー病は恐怖の的です。このアルツハイマー病を将来に発症するかどうかも遺伝子検査でわかるのです。
あなたは、どんなことに気をつければいい?
遺伝子は、「ある・ない」を判定したら、「ある」人に対して、その遺伝子が「発現しないように」指導していくことが大切です。予想医学と先回り予防をとことん利用するために、メディカルサロンでは遺伝子検査を活用しています。