月刊メディカルサロン「診断」
健康管理は6面型月刊メディカルサロン2006年5月号
新たに付加された3つの健康管理
世間では「健康管理」と一言でいいますが、15年目になった健康管理指導の毎日を振り返ってみると、健康管理には6つの内容が潜んでいるように思えます。
寿命管理、体調管理、容姿管理は、もともと健康管理三態として私が語り続けてきたことですが、最近は、自然発生的にそれに3つを付け加えることになりました。
一つは、身体能力管理です。運動でカラダを鍛えることに熱心な人がいます。筋力は、従来は加齢にともない衰えるものとされていますが、その衰えを防止するために運動が推奨されています。しかし、今は加齢をものともせず、運動能力を向上させることができるようになったのが大いなる進歩です。膝、腰を丈夫にして年をとればとるほど筋肉の瞬発力、スタミナを高めることも、種々の医療的方法である程度可能なのです。身体能力の向上を目的に医療的手法にも取り組む、つまり、身体能力を高めるというのも健康管理です。
二つめは、知的能力管理です。記憶力は50歳を超えると衰えていくものと思われていました。それはやむをえないものとされてきましたが、今は、検査で身体状況を分析して防ぐことも可能になりました。加齢とは経験の積み重ねでもあり、それにともなう向上はもともとあるのですから、記憶する能力さえ衰えなければ、知的能力はどこまでも向上します。脳機能を維持し、知的能力の衰えを防ぎ、むしろ向上させる。それを目的に取り組む知的能力管理も健康管理です。
そして、もう一つが心理管理です。心の充実をテーマとします。「意欲」という最も大切なものは、加齢にともない衰えるものと思われがちでした。しかし、脳科学が進歩し、脳内にどんな物質があれば、人の心はどのような状態になる、という研究が飛躍しています。心理管理も立派な健康管理になっているのです。
容姿、体力、意欲の回復という新しい概念
新しく付加された三つ・・・身体能力管理、知的能力管理、心理管理・・・は、それを指導する立場からは、加齢に逆行させることを目的とします。したがって、その概念を私は「容姿、体力、意欲の回復」と名づけました。
メディカルサロンの今後は、容姿、体力、意欲の回復の医学を充実させることも視野に入れていくことになるのです。