月刊メディカルサロン「診断」
ゴルフ界の変貌とゴルフのすすめ月刊メディカルサロン2010年3月号
私は大学時代には、体育会ゴルフ部に所属していました。体育会といっても、「医学部体育会」といってちょっと違いますが、あまり気にしないことにしてください。
医師になってからは、ほとんどゴルフをしなくなっていました。33歳ごろに1~2年ほど再開した後、再び中断。当時は仕事が忙しく、ゴルフどころではなかったのです。気付けばそれから10年以上が経過しました。
2年ほど前から、急に時間ができました。暇をもてあますようになって、ゴルフの虫が目を覚ましました。去年の3月3日から本格的に再開することにしたのです。ゴルフの道具の進化には驚き、試行錯誤の日々を送りましたが、去年の12月に東京大丸のゴルフショップで、スイングを診断してもらい、自分にベストフィットするクラブを選択しなおしました。この「選択技術」も進歩したもので、確かに飛距離、安定性が飛躍しました(杉谷プロありがとうございました)。
さて、ゴルフ場の様相があまりに変わっていることに仰天しました。接待ゴルフが激減し、代わって70歳前後と思われるリタイア後の人たちが、大勢押しかけてゴルフを楽しんでいます。隣のテーブルの70歳代と見える男性からは、「いやあ、去年は130ラウンドしたよ」という声が聞こえてきます。かつてのバブル最盛期に接待ゴルフで腕を磨いた人たちですから、大した技量の持ち主が多いのです。60歳を超えた夫婦の組み合わせも散見されます。一方では、若い女性プレイヤーがものすごく増えています。
昔は、ラウンドするときは必ずキャディさんが付随したものですが、今やキャディさんは不用になり、多くの人がセルフラウンドです。カートの動きとマッチしながら上手にプレイを楽しんでいます。
もっと驚いたのは、プレイフィーが激安になっていることです。平日でしたら、1R5500円から9000円というのが全く珍しくありません。それも由緒正しい立派なゴルフコースがその値段です。
堅苦しいことを考えず、自由に、思う存分にゴルフを楽しめる時代が到来しているのです。
もちろんその陰には、かつて高額で購入した会員権が紙切れになってしまった悔しさ、苦しみを持つ人もいると思います。しかし、そのおかげで、明るく楽しい新社会を創造する気配を生み出すことができたのですから、慰めにしてください(私も慰めにしています・・・)。
メディカルサロンは創業時より、
「年をとってもおしゃれを楽しみ、恋を楽しみ、男女仲良く公園を散歩する。高齢をものともせず、ときには海外に出かける。そんな社会を実現したい」
と標榜していましたが、そのためのインフラがいつの間にか整ってきています。喜ばしいことです。
このようなゴルフ界の変貌を見ると、やはり健康管理のためにゴルフを活用しなければと思うようになります。以前は、ゴルフは身体の動きが「右から左への一方通行的スポーツ」であると同時に「心理的プレッシャーが強いスポーツ」ですので、健康管理の目的ではあまりすすめることはありませんでした。しかし、ゴルフ中の健康トラブルをなくすための手法論を考え、筋骨格系の衰えを防止する医学を進歩させ、「90歳を超えても、颯爽とゴルフを楽しむ」ことを目標とする身体作りを検討していきたいと思うに至りました。それに応じて、「ゴルフの集い」を設けることにしましたので、可能な方はご参加ください。
身体の活動量を高めるためにゴルフを盛んに行っていただきたいものです。