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月刊メディカルサロン「診断」

社会に飛び出す人へのアドバイス月刊メディカルサロン2015年5月号

私はまだ50歳を超えたところですが、人並み外れて、たくさんの経験を積んできたように思います。そこから滲み出る話をしてみようと思います。

人生の歩みというのは面白いもので、毎年行っている同窓会がある場合、その同窓会に反映されています。私の場合、ある友人がまめに幹事を務めてくれるおかげで、毎年1回、高校生の仲間5~10人くらいで集まり、延々と談話する機会があります。
20歳代のころは、女遊び、飲み遊びの話が多かったように思います。「誰々が結婚するそうだ」などは話題の急先鋒でした。30歳代は、だんだんと重くなっていく社会的責任の話。40歳代になるとマイホームの話が出て、健康の話も少し出てきます。そして50歳代になると、健康話が一気に増え、資産運用などの話が出始めます。
そんな談話の中で、「皆、着実に成功人生を収めているなあ」という微笑ましい気持ちになってきます。
人生を振り返り「社会人のスタートを一からやりなおせるなら、どういう人生設計を行っただろうか?」などは、皆、大いに考えることのように思います。いろいろな職種がありますから一概には言えませんが、これから社会人になる若者に助言するなら、私は次のようなアドバイスを贈るでしょう。

夜、学びなさい

成功者になれるかなれないかは、この一言に尽きるように思います。受験生時代は、夜に一生懸命に勉強して学力を高めました。夜に学ぶことが、最も身につくことを知っているはずです。
しかし、社会人になると、その基本的なことの大切さを忘れてしまいます。夜、学ばなくなっていくのです。学ばなくなれば、消費活動を始めてしまいます。つまり、何かにつけて、お金を使ってしまうのです。
何を学べばいいのか?学ぶ題材など山ほどあります。インターネットのことを学ぶもよし、金融のことを学ぶもよし、各業界のことを学ぶもよし、歴史書を読むのもよし、兵法を学ぶもよしです。とにかく学んでいれば、書籍代しかかかりません。

見栄を張っても、カッコをつけてもたかが知れている

若者が高級車に持ったり、ブランド物を持ったりしても、何のカッコつけにもなりません。「憧れているから欲しい」という思いの表れですが、なぜ憧れるかというと「それらが自分の人間力より上にある」からです。人は自分の人間力より下にある者には憧れません。
あるブランド商品が欲しいと思った瞬間、その商品は自分の人間力より上にあることを意味し、自己の程度をさらけ出しているようなものです。社会人になったら、こつこつと現金を貯蓄し、「夜、学んでいる自分」に誇りを持ち、「お金を使っていい気になっている者」を心の奥底で軽蔑し、蓄えた貯金こそ自分の実力の反映だと思わなければいけません。
貯金が増えてくると、それらが自分の実力以下に見えてきます。それでも欲しいというのは道楽になりますが、不労所得の範囲で手に入れるなら、道楽として楽しんで構いません。

不労所得の獲得が実力である

コツコツと貯金しても、老後は安泰ではありません。貯金する中で、不労所得の獲得を目指さなければいけません。不動産所得、配当所得が不労所得の代表です。ただし、決して借金をして不労所得の獲得を目論んではいけません。コツコツとした貯金の延長上で不労所得の獲得を目指すのです。
世界のどこかは必ず高度成長しています。インターネット時代のおかげで世界の情報も入手したいときに入手することができます。
また、情報が公平化されたおかげで、投資も公平化されています。コツコツとためた貯金を少しずつ、投資に回すのです。決して大儲けを考えてはいけません。年率10%前後の着実な利回りで満足するのです。そのためには投資信託が最も優れています。追加型投信で、毎月の配当を再投資せずに受け取るタイプがいいです。
元本の多少の増減などは気にしなくていいですから、年率12%前後の配当になる投資信託に、コツコツと貯めた虎の子の100万円を投入します。すると、毎月1万円ずつの配当収入(元本払い戻しを含める)を得ることができます。
前述どおり、元本100万円の多少の増減は気にしなくていいです。投入した翌年は、12万円の配当収入を得ています。それに、コツコツと貯めた88万円を加えると、また100万円を投資信託に追加投入できます。
その次の年は、24万円の配当収入を得られます。貯めた76万円を加えると、また100万円投入できます。やがて、配当収入が増えて、200万円を投入できるようになります。
さて、これを計算してみてください。給与でどれほどの収入を得ているかは個別の問題になりますが、30歳代で2500万円の投入、年間300万円ほどの不労所得を確保することができます。
その不労所得こそが自分の実力です。男なら、そこから結婚を考えればよろしい。なお、その不労所得の範囲でなら、見栄を張ってもいいです。しかし、ほとんどの物は自分の実力以下の物にしか見えなくなっていますので、見栄を張る必要はなくなっています。

若い時の一時的な高収入で有頂天になるな

外資系金融機関に転職したりすると、1~2年ほどの間、驚くほどの収入を得られることがあります。また、ちょっとした資格がある場合、長時間労働をすると思わぬ年収になることがあります。
しかし、それらは自分の実力ではありません。実力の一部にできるかどうかは、その後の5年が勝負です。
だから、以後5年間はうかつな一発投資やリスクの大きいことに取り組んではいけません。一時的に大きな収入を得ると「この仕事に将来性はない」というような錯覚に陥りますが、それはまさに錯覚です。地道にまっすぐに努力を続けなければいけません。

私の胸の中には、若者にアドバイスしたいことが山のように詰まっています。詳細にお話ししたいのですが、字数の関係上、今回の話はここまでにいたします。

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