月刊メディカルサロン「診断」
救済しなければいけない新しい分野掲載日2024年12月27日
月刊メディカルサロン1月号
私は「健康管理の学問化」を生涯テーマの一つとしていますが、健康管理学とは何かというと、「人生を有意義に全うするための健康管理学」なのです。つまり、人生の築き方、志の持ち方、生活の楽しみ方を包含する健康管理学です。
孫子の兵法が単なる軍事の書ではなく、「国を全うするための軍事の書」であることの影響を強く受けています。孫子の兵法は、槍、刀、盾、矛、戟などの武器の使い方を一切述べていません。だから、原爆、ミサイルと武器が進歩しても、何の影響も受けない国を全うするための軍事部門における深い奥底の真理を感じるのです。新薬、新検査技術などどれほど医学が進歩しても、それに惑わされることのない深い奥の健康管理の真理をまとめたいのです。
だから健康管理学研究には、「人生を有意義に全うする」という観点が常に伴い、その観点が私の思考の中心になります。
今回はその観点からのお話です。
閉じ込められた、兵庫県知事
斎藤元彦さん。兵庫県の知事です。様々にバッシングを受けて失職しましたが、再出馬して見事再選しています。
斎藤さんは、今後どのような人生を送るのでしょうか?
女性とどこかで食事しただけで、憶測が沸騰します。ゴルフをするのかどうかは知りませんが、仮にゴルフをしただけで、「県政をほったらかして」と言われます。そして、ゴルフの相手との人間関係を詮索されます。マスコミにさらされて自由は一切ありません。
県政においては、常にどこから見られても公平公正なベストチョイスを選択するしかありません。自己の思惑を交えることさえ不可能です。
人は、何をやってもストレスがたまります。健康管理学的にはストレスの発散を考えなければいけないのですが、斎藤さんにストレス発散の道はありません。まさに兵庫県民のための「公僕中の公僕」の人生を歩むしかないのです。今の自己の幸せは放棄して、引退後に静かな余生の幸せを求めるしかないのです。引退できるまで、生命が続くことを祈るばかりです。「人生を楽しむ」という観点からは、すでに死んだ人生です。
再出馬の際には、そんなことも十分に考えたことでしょう。しかし、斎藤さんを最終的に突き動かしたのは、「名声、名誉を重んじる心」です。自己顕示欲の強い女が余計なことをしましたが、そんなことくらいで「名誉のためには死をも厭わない」という男をバッシングするものではありません。
閉じ込められた、国民民主党党首
玉木雄一郎さん。衆議院議員で国民民主党の党首です。「103万円の壁」「手取りを増やす」というシンプルな用語で、日本社会の改善しなければいけない深奥の部分を露出させました。底辺に潜むのは、生活が苦しく何の財産も持たない若者から資金を分捕って裕福な高齢者に回している、という日本の現実です。高齢者の財産の原資は、ゼロサム原理により日本国が背負った借金そのものですが、その借金を返済するのも若者世代です。この波が広がることを政府は強く警戒していることでしょう。
玉木さんの女性問題が、取り沙汰されました。玉木さんは「妻子ある身でありながら他の女性に心を寄せてしまい・・・」と反省の弁を語りました。
妻子ある身が女遊びをしたために、民心が離反して自民党がもしすぐに解散総選挙に打って出れば、国民民主党は大半の議席を失うという事態に追い詰められました。当然、矛先は鈍り、若者のための政治は頓挫の方向をたどります。
スケベ根性なのか救ってあげたいという思いなのかはわかりません。現状は脅されているようなものです。女問題をネタにされて、男の社会活動に制限を受けるようなことがあってはいけません。
社会のため国民のために頑張っている男を、「女遊び」をとりあげてマスコミは潰そうとしています。玉木さんは今後、一切のストレス発散を放棄して、「閉じ込められた世界」で生きていくしかありません。そんな世の中でいいのでしょうか。
進んだ「女たちの解放」
「女遊び」という表現があります。近い未来のどこかで別れるつもりで恋愛することを、「女遊び」というようです。「ソープランド」や「なんとかヘルス」など毎回の料金で決着をつけるのも、女遊びというのでしょうか。
では、未来のどこかで別れるつもりがなく、男性が相手女性の生活を豊かにしてあげること、あるいは、相手女性の生活のピンチを救ってあげることを目的とした関係は何というのでしょうか?やはり「女遊び」でしょうか。「女遊び」というより「女性救出」と名づけた方がいいような気もします。
昨今、パパ活などといって、妻子ある男性に接近する若い女性が増えていますが、略奪愛などというものを狙っているのではなく、単に「今の生活に困っているのでなんとか救われたい、お金が欲しい」と思っているだけです。
もっとも「貞操」という語を知らずに育った今の若い女性には、「ワンナイトラブを楽しみたい」という望みも増えており、あながち生活ピンチばかりでもないようです。
「このワンナイトラブを楽しみたい」という思いは、「夫子ある女性」にも広がっているようで、「男は浮気したらすぐにばれるけど、女は浮気してもばれないから」と囁きながら、男性に接近する「夫子ある女性」がやたらと増えているのも現実です。それが元タレントであったりしたらマスコミを賑わしていますが、氷山の一角です。もちろん、50歳以上には「貞操の美徳」を大切にしてきた女性もたくさんいます。
平成バブル以前は、女性には「内助の功」「貞操の美徳」が求められる時代でした。散々「女遊び」しながら、「結婚する相手は処女でなければだめだね」と広言する男もたくさんいました。雑誌の相談コーナーには、「結婚して初夜を迎えましたが、どうやら新妻は処女ではなかったようです。結婚を取り消したいのですが、どうしたらいいのでしょうか」というタイプの相談がけっこうあったくらいです。その時代、女性は、「内助の功」「貞操の美徳」の二つの用語に縛られて、「閉じ込められた世界」で生きていたのです。
独自の倫理的な縛り、宗教上の縛り、伝統の縛り、政治上の強圧的な縛りから脱出させてあげる取り組みを、「解放運動」といいます。バブル崩壊後は、女性の解放運動が急速に進み、今や十分に解放されています。
昨今のホストクラブ事情を見ると一目瞭然ですが、「男遊び」はもはや若い女性の世界では定着しているのです。今では女子大学生たちに「テイソウってわかる?」と尋ねると、しばらくきょとんとして「高層マンション、低層マンションのことですか」と答えるほどの時代になっています。
社会が資産階級と庶民に分かれていた時代、つまり太平洋戦争終結でGHQが乗り込んできて、日本の家族制度を改造する以前の時代は、庶民の女性の唯一の出世の道は資産階級の男に選ばれることでした。若い女性も、「テイソウ」は知らなくても、「タマノコシ」という語は知っていますので、その風潮は現代も残っているのかもしれません。成功している男を追う女性の心理は今も昔も同じようです。
男たちを解放せよ
女性の解放は十分に進みましたが、一方で男性の方はどうなのでしょうか?
斎藤元彦さん、玉木雄一郎さんでわかるように、男性達は「閉じ込められた世界」へと追いやられています。社会は「妻子ある男の貞操の美徳」を求めるようになりました。
ストレス発散は健康管理上は絶対に必要で、それは自由の獲得と連動するのですが、一般的に男は、「うつ、のむ、かう」つまり、「賭け事、飲酒、女遊び」をストレス発散のネタにしていました。女性のストレス発散は「ショッピング、おしゃべり、美容」です。ここでいう「美容」はエステ通いを意味しますが、女性がエステに通う料金と男性が風俗店に通う料金がほぼ同じ金額に設定されているのは面白い事実です。
世間に名を知られた男の「女遊び」がマスコミにスクープされ、そして名声の低下につながり、失脚へと導かれる世の中でいいのでしょうか?
今の時代、女性は思う存分にストレス発散を楽しめますが、「社会のために頑張ろう」という男たちはストレス発散を封じられ、おそろしく「閉じ込められた世界」に押し込められているのです。社会の進歩のため、世のため、人のために努力しようという男たちが、バカを見る時代になっているのです。
そんな世の中でいいのでしょうか?閉じ込められた男性達を開放しなければいけません。
全ては「救い出す」の思いから
私の意欲の源泉は「救済」です。困っている人たちを救い出すぞ、という気持ちになった時に、「身命賭してやってみせる、成し遂げてやる」という気分になるのです。思い起こせば、過去のすべてがそうでした。
「説明不足」「三時間待ちの三分診療」「検査漬け、薬漬け」の医療のために、困り果てている人たちを救い出すというつもりで家庭教師の立場での診療を始め、それがプライベートドクターシステムの発端になりました。
「一粒残さずしっかりと食べなさい」「しっかり食べないと健康に悪い」「三食しっかりと食べなさい」という戦後の貧しかった時代の躾(しつけ)の呪縛から抜け出せないために過体重になって困っている人達を救い出すために、マジンドールダイエットを考案し、そして、「朝だけダイエット」のベストセラーを生み出し、世の中に「太っているのは食べ過ぎているからだ」という、今では常識ですが当時としては驚きの価値観変貌を成し遂げました。
「肌に対しては何かを塗ること以外に手法はない」という固定観念の元で肌の悩みを解決できないで困り果てている人たちを救い出すために、プラセンタ注射を通じた「身体の中からの美肌づくり」を説きました。「肝臓の病気があるときに、肝臓に何かを塗って治そうとはしない。口から摂取して血液の流れに乗せて治そうとする。皮膚もそれと同じです。何かを塗って治そうとするのではなく、成分を血流に乗せて肌に到達させて、内側から治すことを考えなさい」という内容を書いた「お医者さんが考えた一週間スキンケア」も10万部を超える大ベストセラーになりました。その書物によりプラセンタ注射が流行しましたが、原点はプラセンタ注射ではなく、「身体の中からの美肌作り」の教育、啓蒙です。
「老、病、死」は、人にとっての本質的な恐怖です。長寿時代になって、老化に対する恐怖心がさらに高まりました。老化というのは、加齢に伴う気力、体力、容姿の衰えです。その恐怖心から人々を救い出すために、成長ホルモン医療を身近なものへと進歩させました。注射しかなかった成長ホルモン投与に、舌下投与剤の開発という手軽な手法を研究し成果を出したのです。気力を充実させると、体力、容姿の衰えはカバーできる展開になることも発見し応用しました。
子供の身長問題で悩んでいる人がたくさんいました。小児科領域では、「マイナス2.5SD以上だから健康保険の適応にならない」「病気ではないから心配するな」「個性の問題です」などと言い放つだけで、何の救済にもなっていませんでした。診療の現場は「健康保険制度を遂行する」という機械的な活動に陥り、最も大切な「患者を救う」の精神が欠乏していたのです。悩んでいる人たちを救い出すために、「子供の背を伸ばす医療」を研究開発しました。「骨端線が閉鎖しているのになぜ伸ばせるのだろう」という不思議現象を日々体験しています。
以上はすべて、救い出したい、救出したい、の思いから生まれたものです。
研究し、実行し、実現しなければなあという意欲が湧いてきています。