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風本真吾の生涯テーマその1

医療社会の構造改革の実現

「説明不足」「3時間待ちの3分診療」「インフォームドコンセント」「ガン告知」「医療過誤」など、一般的に非難されている問題が医療内部に存在します。保険医療制度の構造上やむを得ない問題もあれば、人為的な問題もあります。
医師・患者間の距離感の問題もあります。人間的距離感が遠すぎると不信感の原因になりますが、かといって人間的距離が近すぎると患者の甘え、わがままが大きくなり、これもトラブルの原因になることを医師は往々にして経験しています。
医学は自然科学です。法律のように人が定めたものではありません。右か左かが明確に定まっているものではないのです。この世にすでに存在するものから、類推、推定を繰り返して、生まれてくるのです。医師であれば、そのような自然科学であるが故の大原則を知っているのですが、一般の人は知りません。そのため、人間ドックなどにおける「見逃し」や治療方針の選択などでトラブルが生まれることがあります。

早期発見すればなんとかなるという風潮があります。それもある意味では間違えています。肺ガン、食道ガン、膵臓ガンなど早く発見したために、かえって早く死んでしまったというケースはまだまだたくさんあるのです。「発見されなければもっと長生きしたのに」という痛恨のケースは医師であるならよく経験するところです。近藤誠氏が記した「それでもガン検診受けますか」や「患者よ、ガンと闘うな」などの著作が話題を呼んだのも古いことではありません。つまり、医療に期待する内容の風潮にも問題があるということです。

医療社会の構造改革の実現を目指して

これらの内在する問題がなかなか解決されないのは、複雑な事情が関係しています。風本真吾は、今の医療制度の延長上に改革を実施するのは不可能であると断定して、平成4年に従来の制度とはまったく異なった行動を起こしました。保険医療制度の恩恵を受けないで、さらに医師会や医学部の圧力を受けない立場から、自由診療組織として四谷メディカルサロンを興したのです。医療社会の構造改革の実現を目指して、少しずつ前進しています。

最近では、カルテ開示の問題が挙げられています。法制化が議論されていますが、カルテ開示が患者にとって好ましいことなのかの議論は後回しにされています。この問題に関しては、医師と患者が協力して1つのカルテを作り上げる「マイ・カルテ」を土台として、患者と医師との二人三脚の医療づくりの展開を図るべきだという独自の解決策を提案しています。

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