月刊メディカルサロン「診断」
-序章-プライベートドクターシステム月刊メディカルサロン1996年12月
言うまでもなくメディカルサロンは「プライベートドクターシステム」を中心に運営されています。プライベートドクターシステムを運営する中からウエイトコントロールシステムやエリザベス点滴、会報誌「ALLA SALUTE」、講演活動などが生まれでています。
ところでこのプライベートドクターシステムとは一体何なのでしょう。「プライベートドクターシステムってどういうものなのですか」という質問を受けることがよくあります(当然!!)。
ところが、それに答えるのが実は意外と難しいのです。一言で説明できる上手な言葉がありません。それもそのはず、もともと「こういう仕組み、こういう内容のものを始めます」と記したパンフレットなどがあってスタートした仕組みではないのですから。プライベートドクターシステムというのは「つきあいの深い知人の健康を守っていこう」という漠然とした気持ちが先行する中で生まれ、その知人の皆様の健康に関する要請に応じていく中から成長してきた仕組みなのです。
したがってこれまでパンフレットをつくったり、入会者を新規に募集するというような営業活動を行ったことがありません。とにかく「つきあいの深い知人の健康を守っていこう」と考える中で、現在の会員が知人を紹介してくれ会員数が増えてきたのです。そのような運営も徐々に拡大し、いつのまにかもう5年目に入りました。その歴史の中で、プライベートドクターシステムとはこういうものなんだという像がだんだんと見えてきたような気がしています。
そこで今回は、プライベートドクターシステムの誕生までの黎明時代を思い出してみたいと思います。
私が19歳で上京してからは、不思議と中高年者の知り合いがよくでき、東京での生活のお世話になったものでした。どういうわけか同世代の友達より中高年者とのほうが親しみやすかったのです。中高年者といっても皆が立派な会社を経営している方で、いろいろな勉強もさせていただきました。
医者になってからは、そのような方々から「ようやく医者になったんだね。心強いよ。何かあったら一つよろしくたのむよ」というお言葉をいただくようになりました。
「何かあったら」というのはなさそうで実際にはよくおこったものです。「すぐ入院できるように手配しましょう」や「外来の待ち時間をなくすなんて簡単ですよ」という実行面の出来事や「それだったらこういう病院に行った方がいいですよ」「その薬は飲まない方がいいです。こちらの方のタイプの薬の方が安全性に優れています」というアドバイス面の出来事がよくあったものです。
医者になってからの約3年間はそのような原始的活動を行っていました。その活動が一気に飛躍し、その後診療所を構え、プライベートドクターシステムを発案するにいたる出来事が、医者になってようやく4年目の春におこったのです。
(→次号へ続く)